OneDriveをやめたら、デスクトップのアイコンが全部消えた|ファイルは消えていません。参照先がずれているだけです

パソコン・機器

「パソコンを立ち上げたら、デスクトップに置いていたフォルダが全部なくなっている」。この連絡は、受ける側も一瞬ひやりとします。デスクトップには、その人の仕事の途中経過が全部置いてあることが多いからです。

先日対応したあるお客様のケースでは、OneDriveの利用をやめる作業をした直後に、この現象が起きました。結論から言うと、ファイルは1つも消えていませんでした。Windowsが「デスクトップはここです」と覚えている場所と、実際にファイルがある場所がずれていただけです。この記事では、何が起きたのか、現場でどう直したか、そして「デスクトップが消えた」と言われたときに絶対にやってはいけないことを書きます。

前提:デスクトップは「場所」を指しているだけ

Windowsのデスクトップや「ドキュメント」「ピクチャ」は、実体としてはただのフォルダです。普通はパソコンの中の決まった場所にありますが、Windowsは「デスクトップとして表示するフォルダはここ」という参照先を別に覚えています。この参照先は、OneDriveを使い始めたときや、フォルダの保存先を変更したときに書き換わります。

つまり、「デスクトップが空になった」には2通りあります。ファイルそのものが消えた場合と、参照先がファイルのない場所を向いている場合です。私の経験では、後者のほうがずっと多いです。

何が起きたか:OneDriveをやめた直後、アイコンが消えて壁紙が戻る

このお客様では、デスクトップの整理とあわせて、OneDriveの利用をやめることになりました。OneDriveが同期していたデスクトップ・ドキュメント・ピクチャを、パソコン本体の通常の場所に戻し、OneDriveをアンインストールする、という作業です。

作業後に再起動すると、次の2つが起きました。

  • デスクトップに置いていたフォルダ(お客様が作った13項目)が表示されず、「PC」「ネットワーク」「ごみ箱」のようなWindows標準のアイコンだけになった
  • 設定した壁紙が、再起動のたびに元の会社ロゴの画像に戻る。使っている間は正常で、起動したときだけ戻る

加えてお客様からは、「ドキュメントを動かしたことで、Outlookのメールのデータ(PSTファイル)が行方不明にならないか」という不安も出ていました。Outlookのデータはドキュメントの中に置かれていることが多いので、もっともな心配です。

原因:Windowsが古い場所を見続けていた

調べた結果、3つの現象はそれぞれ別の理由でした。

現象原因ファイルは
デスクトップのアイコンが消えたデスクトップの参照先を新しい場所に変えたのに、画面の表示が古いOneDrive側の空のフォルダに結び付いたままだった。空のフォルダを消しても、Windowsが作り直して空の表示が続いた新しい場所に全部ある
壁紙が起動のたびに戻る起動時にWindowsが壁紙の内部データを元のロゴ画像で作り直していた。どこが元になっているかは最後まで特定しきれなかった(ファイルの話ではない)
Outlookのデータが心配Outlookは古いOneDrive側の場所を記憶している。ファイルだけ動かすと、場所が食い違って開けなくなる動かす前の場所にある

共通しているのは、「設定を変えた」のに「Windowsや各ソフトが覚えている古い場所」が残っていたことです。OneDriveは、デスクトップやドキュメントの参照先をOneDriveの中に付け替える形で動いています。やめるときは、その付け替えを元に戻すだけでなく、「古い場所を見ているもの」を全部洗い出す必要がありました。

現場でやったこと

この件は、消えたように見えているだけで、ファイルは全部ある、という前提で進めました。

  1. ファイルの所在を確認する。デスクトップ・ドキュメント・ピクチャの中身が、新しい場所にそろって存在することを先に確かめました。ここが確認できるまで、何も消さないし、何も作り直しません
  2. デスクトップなどの参照先を、Windowsの正式な方法で設定し直す。設定を書き換えるだけでは不十分だったので、Windowsの仕組みを通して「ここがデスクトップです」と登録し直しました
  3. 古い場所から新しい場所への「つなぎ」を作る。Windowsが古いOneDrive側の場所を見に行っても、新しい場所の中身が見えるように、古い場所に案内板のような仕組みを置きました。これでデスクトップのアイコンが戻りました
  4. Outlookのデータは動かさず、同じ「つなぎ」で橋渡しする。Outlookが覚えている古い場所から、実際にファイルがある場所へつなぎました。Outlookの設定には触らずに、いちばん大きいもので4.8GBあったメールのデータがすべて正常に開くことを確認しました
  5. OneDriveを撤去する。アンインストールし、自動で立ち上がる設定や残りのファイル、画面左側の「OneDrive」の表示を取り除きました
  6. 壁紙は、Windowsの「個人用設定」から設定し直す。設定を直接書き換える方法では再起動をまたいで保持されませんでした。最終的に、Windowsの画面で「個人用設定」→「背景」→「参照」から画像を選び直すことで、再起動しても戻らなくなりました

お客様には、こう説明しました。「OneDriveの利用を停止し、デスクトップ・書類・画像を通常の『このPC』の保存に戻しました。ファイルは1つも失われていません。Outlookのメールのデータも全部無事です。作業の後にアイコンが出ない・壁紙が戻る現象が出ましたが、フォルダのつなぎ直しと、壁紙を設定画面から選び直すことで解消しました」。

そしてもう1つ、お客様に必ず伝えたことがあります。ユーザーフォルダの中に残っている「OneDrive」という名前のフォルダは、削除しないでください、ということです。中身は空に見えますが、デスクトップとOutlookを正しく動かすための「つなぎ」がそこに入っています。「使っていないフォルダだから」と消されると、アイコンが再び消えます。

もう1つのパターン:存在しないドライブを指していた

「デスクトップが空になった」は、OneDriveに限りません。以前見た別のケースでは、パソコンを立ち上げると標準のアイコン以外が消えていて、デスクトップのプロパティを見ると、保存場所がDドライブになっていました。ところが、そのパソコンにDドライブはありません。設定を触ろうとすると「指定されたパスが見つかりません」というエラーが出ます。

これは、以前は存在していた外付けやふたつ目のドライブにデスクトップを向けていた設定が残っていたか、別のユーザー情報で入ってしまったか、といった原因が考えられるパターンです。このときも手順は同じで、まずファイルがどこにあるかを探すことから始めます。探す場所の候補は決まっています。

探す場所何を見るか
ユーザーフォルダの一覧自分の名前以外のフォルダ(末尾に数字が付いたもの、TEMPなど)がないか。別のユーザー情報で入っていると、本来のデスクトップは別のフォルダの中にある
OneDriveのフォルダOneDriveの中の「デスクトップ」「ドキュメント」にファイルが残っていないか
パブリックのフォルダ全ユーザー共通のデスクトップ・ドキュメントに入っていないか
「最近使ったファイル」エクスプローラーの最近使用したファイルから右クリックで「ファイルの場所を開く」。ファイルが実際にどこにあるかをたどれる
Windows.oldフォルダ大きな更新や再インストールの直後なら、ここに前の環境が残っていることがある

所在が分かってから、デスクトップの参照先を本来の場所に戻します。このとき、Windowsが「移動しますか?」と聞いてくることがありますが、ファイルの所在がはっきりしない間は「いいえ」を選ぶのが安全です。「はい」を選ぶと、空のフォルダの中身で上書きするような動きになることがあります。

同じことを防ぐには

「消えた」と言われても、まず消さない・初期化しない

この種のトラブルで被害を大きくするのは、現象そのものではなく、慌ててやる操作です。やってはいけないことを先に挙げておきます。

  • パソコンを初期化しない。参照先がずれているだけなら、初期化は「ある」ファイルを本当に消す行為になります
  • 知らないユーザーフォルダや、空に見えるフォルダを削除しない。本来のデータが入っているか、つなぎの役目をしていることがあります
  • 「移動しますか?」に安易に「はい」を押さない。所在が分かってからにします
  • 存在しないドライブを無理に作ろうとしない。設定のほうを本来の場所に戻します

OneDriveをやめるなら、「どこに何があるか」を先に書き出す

OneDriveを導入したときに何が起きていたかを、やめる前に把握しておくと、今回のような作業はずっと楽になります。確認しておくのは次の点です。

  • デスクトップ・ドキュメント・ピクチャが、OneDriveの中に移っているかどうか
  • OneDrive上のファイルが「オンラインのみ」(中身が手元になく、開くときにダウンロードされる状態)になっていないか。この状態で同期を切ると、手元に実体がないファイルが出ます
  • Outlookや会計ソフトなど、ドキュメントの中にデータを置くソフトが何か。これらは保存先を記憶しているので、場所を変えると影響が出ます
  • 壁紙や画面の設定など、見た目に関わる設定

とくに3つ目は見落としやすい点です。パソコンの入れ替えで会計ソフトのバックアップ保存先がOneDriveの中にあって困ったケースを、パソコンの入れ替えで引き継ぐべきものの記事で書いています。OneDriveを使っているかどうかは、「ファイルがどこにあるか」に直結します。そもそもバックアップがあるのに使えない、という事態を避ける考え方は、バックアップが使えない3つの型の記事にまとめています。

設定変更は、Windowsの画面からやる

今回の壁紙の件で分かったのは、設定の裏側を直接書き換える方法より、Windowsが用意している設定画面から操作するほうが結果的に確実だった、ということです。デスクトップの参照先も同じで、フォルダのプロパティの「場所」タブから変更するのが基本です。裏側を直接触る方法は、戻せる準備をしたうえで、最後の手段にしてください。

まとめ

  • 「デスクトップが空になった」の多くは、ファイルが消えたのではなく参照先がずれている
  • OneDriveをやめた直後は、Windowsや各ソフトが古いOneDrive側の場所を見続けていることで、アイコンが消えたりOutlookのデータが開けなくなったりする
  • 直すときは、まずファイルの所在を確認し、それから参照先を戻す。古い場所から新しい場所への「つなぎ」が必要なこともある
  • 慌てて初期化・削除・「移動しますか?」で「はい」をしない。被害を大きくするのはこの3つ
  • OneDriveをやめる前に、ドキュメントの中にデータを置くソフト(Outlookなど)を書き出しておく

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